仮面ライダーリバイス
第44話「全身全霊をかけて、決断の行方」
の感想・考察をお話ししていきます!
(ネタバレを含むため、まだご覧になっていない方・ストーリーを知りたくない方はご注意願います)
今回の放送をいっすんの印象でまとめると、
大ちゃん、カゲちゃんおかえり!!!
これに尽きましたね!
ついに帰ってきました、大ちゃん!そしてカゲちゃん!
ここ最近の大二の悲痛な奔走は目に余るものがあったので、五十嵐家がようやく合流できて一安心というところでしたね!
そして一輝サイドに対して初めて口を開き、その意思を伝えてきたギフ。
ついに最終決戦の火ぶたが斬って落とされた、超重要回でしたね!
物語が大きく進む今回、大二&カゲロウから学ぶ悪の重要性、大二→一輝への物語のバトン、大二もカゲロウも共に成長したこと、そしてギフの在り方から見るテーマについて感想を交えながら考察していきますので、ぜひ読んでみてください!
仮面ライダーリバイス44話いっすんの感想と考察
それでは仮面ライダーリバイス44話いっすんの感想と考察です!
大二とカゲロウから学ぶ”悪”の重要性
大二の悪に染まったかのようなここ最近の行動原理は、全てカゲロウとのやり取りを守りたかったためということが分かった今回。
26話におけるカゲロウとの戦いを、彼の死を決して無駄にはしたくなかった。
だからこそ、自分が命を張ってでも人類を正しい道に導くべきと気負ってしまった。
カゲロウは大二にとって悪の側面を持ちながらも兄貴分としての制止&牽制的な役割もあるため、大二が誤った道へ進んでもそれが正しい道なのかそうでないのか判別がつかない不安定な状態だったのですね。
これをすることで「いや、これはリスクが大きすぎるから少し方向性を変えてみてはどうか。」などの自問自答を正しく行うことができ、それが世間的に見て少しずれている道であったとしても、勇気が必要な道であったとしても、自分の中で納得のいく道を進むことができる。
大二はカゲロウ不在の間、長らくこの自問自答すらできない至極不安定な精神状態で常に苦しんでいたということですね。
26話でホーリーウィングバイスタンプに宿る形で消滅してからというもの、カゲロウはどうやら自分の意思では表に出ることも大二に語りかけることもできなかった模様。
呼びかけることも表に出ることもできないカゲロウは『阻止しなかった』ではなく、『阻止できなかった』のほうが正確かもしれません。
このときバイスが二度も大二を救うファインプレーを見せてくれましたが、救出者は二度とも一輝ではなくバイスです。
これは大二がカゲロウを欠いている状態ではバランスがおかしくなっている、だから悪魔であるバイスが体を張ることで悪魔とのバディの重要性を大二&視聴者へ示唆している重要な演出と感じました。
大二の呼びかけと涙によってパーフェクトウィングバイスタンプが生まれ、出現したカゲロウの
「お前が泣き寝入りするまで、黙ってようと思ってな。」
という虚勢を張ったセリフ。
公式でもこのカゲロウのセリフを『ひねくれ台詞』と表現しており、ひねくれは本心とは裏腹な態度を示すものであり、つまり本心は大二を助けたくて仕方がなかったことを表しています。
カゲロウは26話で一時消滅していながらも、大二のことをずっと見守り気にかけ、そして助力をしたかった。
しかしカゲロウの意思だけではどうにもならない。
誤った正義に奔走し苦しむ大二を見るカゲロウもまた、26話の決闘のことを「あの時の俺たちの判断は間違っていたのか?」と、苦悩に喘いでいたのかもしれません。
大二がカゲロウに「助けてくれ」と弱みを見せたこと、涙がバイスタンプに落ちることがトリガーとなる奇跡的な条件が揃ったため、カゲロウが解放されるというイベントに至ったこと、非常に感動的でした!
大二・カゲロウが互いに求め合っていたという構図は、ポジティブもネガティブも、勇気も気後れも、愛憎も、自分の心の声を大切にしてそれらの葛藤が折り合う答えを見出すことで、自分の中の素晴らしいバディが完成するそのようなことを教えているのかもしれません。
誰しも心に持つ”悪”がもたらす存在の可能性と重要性を知る、非常に考えさせられるテーマであると感じた次第でした。
大二&カゲロウ、おかえり!!
大二の物語は一輝の物語へと通じる道
仮初めの正義に奔走する大二に対して、元太・ヒロミさん・朱美さんが大二の心に揺さぶりをかけるための重要な役割を担っていました。
- 朱美→「正しさのために一人ぼっちにならないで」
- 元太→「自分を許すことができる男になれ」
- ヒロミ→「あきらめるな、失敗してもまたやり直せばいい」
いずれも大二の心を完全に変えるには至らなかったものの、彼の心の中では必ず響くものがあったことは確実です。
言葉と共に彼らが行動で示してくれたことは、
- 朱美→怪人化したのちギフの弱点を伝え、大二の目の前で絶命
- 元太→命を張って自らの悪魔と決着
- ヒロミ→変身できる体ではないにもかかわらず、全身全霊でデモンズとなり闘ってくれたこと
これらは人生における様々な苦境や苦難と対峙したとき、自分自身に響く言葉、自分自身に響く生きざまを見せてくれる人がいる。
しかしそういった人たちから何を学ぶかは自分次第。
その響く人が家族とも限らない、友人とも限らない、人生の先輩とも限らない、誰かはわからないが、心に響いた素直な気持ちを無視せずにきちんと自身と向き合っていくことでまた新しい人生を切り開く活路を見出せるかもしれない。
大二の説得と共に、我々へのそういった指南であるとも思いました。
今回大二はそういった重要人物たちから機微に触れ、多くを学び、そして弱みを吐露することでカゲロウを再び呼び戻し共に闘う決意を固めることに。
この場合の大二に必要だった答えは『自分への問いかけと、助けを請うこと』だったわけですね。
確かにそれもわかりますが、紆余曲折しまくってたどり着いた答えは悪魔とのバディ。
リバイスの超重要テーマに綺麗に収まったこと。
それから、一輝と大二は『孤独と喪失』という共通点があり、一輝は記憶を失うことで孤立化しつつあること、大二は自身の悪魔を喪失したことでバランスを崩し孤独の道を奔走していた。
今回44話で大二がカゲロウとの強固なタッグを実現したことで喪失も孤独も一気に氷解、一輝よりも先に個として整いました。
一輝が抱える問題はいまだ解決の兆しすら見えず、ろくに話題にすらされない状態ですが、弟大二が抱える問題を克服したことで次は一輝にその矛先が向く。
大二の問題を長尺で丁寧に解決してきたことは、一輝の問題解決のための舞台装置だったと解釈しています。
一輝の問題解決にあたって家族が再び引き寄せられ力を合わせる構図を作り出すための紛うことなき重要プロセス。
そのため大二が時間をかけて問題を無事に解決してくれたことが、物語に非常に重要な意味を作り出していること、いっすんとしては逆に絶賛としか言いようがないという印象でしたね。
大二もカゲロウも、命を張ってくれた人たちも尊かった!!
大二の成長カゲロウの成長
カゲロウは5話で謎のライダーとして初登場し、6話にてデッドマンズ:アギレラたちの前で「カゲロウだ」と名乗り初めてその姿を現しました。
常に輪の中心にいて目立つ兄、そんな一輝のいない”外”で認められたいがためにフェニックスに入隊した大二でしたが、仮面ライダーに変身することも一輝に奪われ居場所を失ってしまい、悪魔カゲロウを生み出した経緯があります。
カゲロウは初登場の界隈では大二の体を乗っ取っとろうとしていた。
しかし10話にて幼き頃大二が迷子になったエピソードを通して自身の強さを一輝が認めてくれたことによって、大二はカゲロウの心に打ち勝つことができ、自分の体を取り戻しカゲロウを制御することができた。
その成長は仮面ライダーライブとして覚醒することで完成されたと思われていました。
そして26話でカゲロウは大二の優しさを非情なものに変え真の強さを手に入れてもらうべく決闘を挑み破れ、カゲロウの消滅をきっかけにしてホーリーライブが誕生。
ここで大二の成長はついに完結と思いきや、製作陣の粋な計らいによって第三の成長を遂げることに。
それが今回のエビリティライブであり、これは大二とカゲロウが共に出した答えであり、二人の成長の集大成です。
カゲロウは大二が持つ一輝への妬みと劣等感によって生み出された悪魔であり、大二の体を乗っ取れば負の感情を解放した新たな大二に変わることができるという目論見がカゲロウにはあったのでしょう。
大二よりも自分こそがこの体を使うのに相応しい、無慈悲に全てを奪い取る侵略者の心理ですね。
しかし一輝&大二兄弟の信頼関係により大二の強さが引き出されたことによって、カゲロウは『こいつもなかなかやるじゃねぇか』、と大二のことを一目置き始めた。
そうして大二の中で生き続けることで、大二の強さ・弱さなど様々な大二を知るうちにカゲロウもまた考え方が様変わりしていったことは疑いありません。
カゲロウもまた成長していることを実感とした最高のシーンでした!
そして今回大二の呼びかけと一筋の涙によって期せずしてカゲロウが復活し、襲い来る悪魔集団に銃撃、生身のさくらをまたも救い出した。
カゲロウは大二と共に在ることを決め、大二もまたカゲロウと共に生きることを決意した。
大二の3度にも渡る成長と共に、カゲロウ自身もまたその度に大きな成長を遂げていたのだと気づかされました。
大二は正しい道を進もうとする良心、カゲロウは負の感情で構成される悪心。
しかしどちらも同じ一人の人間から派生したもの。
大二とカゲロウは誰もが抱える人の心を如実に表した関係性であり、そして大二とカゲロウが共に出した答えエビリティライブこそ、人間的な成長に欠かすことができない一つの完成形。
逃げてばかり、目を背けてばかり、そして常に楽な道を行く。
これでは心の大二=善も、カゲロウ=悪も成長はない。
常に楽な道ではない、常に正しいかはわからない。
しかしそれでも自分が感じる心を無視することなく、常に自分の中の善と悪に向き合ってひたむきに答えを出していくとき、善も悪も昇華を遂げてやがて一つの自分となり大きな成長を得ることができる。
大二とカゲロウからそういった熱いメッセージを感じ、いっすん大感動でした!!
負の感情を”抑圧”ではなく、”共に生きる決意”とした。この答えから製作陣のたくさんの想いを感じ取ることができました!
ギフが現代人に贈るテーマ
生物が生む悪性エネルギー、人間が悪魔と呼ぶものがギフの食料であるが、人類の闇が深まり自ら絶滅する道へ向かっているため、調整をしたという事実を明かしてきた今回。
悪魔を生み出す格好の存在である人間がいる地球をギフが好むという図式は、『ギフ=現代人』、『リバイスの世界における人類=現在の地球に生きとし生けるもの全て』と解釈できます。
人類は地球の脅威であり、傲慢に捕食・殺戮し、生態系を破壊、大地・海・大気を汚染し、果ては人間同士で殺し合う。
地球規模で考えたとき、『現代人=ギフ』という関係性が非常にマッチします。
そして今ギフは進化した人類である一輝たちに滅ぼされようとしている。
これは地球によって人類が滅ぼされる可能性を示唆しているのではないでしょうか。
地球は大地を動乱させ、天変を地夭し、重要な地軸の傾きや自転や公転ですら変化を起こすかもしれない。
そうなれば人類は強大な自然の前にはなすすべがない。
そして生態系はやがて霊長類のヒエラルキーを無視し、進化を遂げて我々人類に牙を向くかもしれない。
昆虫が巨大化したり、ゴリラが大きくなったり、放射能汚染物質から巨大生命体が誕生したり、などの空想映画様な事態は現実的に考えにくいですが、そのような未来も絶対にないとは言えないかもしれない。
『人類の傲慢さと欲深さをギフが嫌っていること=現在の地球やそこに生きとし生ける全ての生態系の意思』ではないでしょうか。
それを地球外から飛来した謎の生命体にゆだねているだけの構図。
そういった危険な未来も、人類の身の振り方によっては起こり得るという警告ではないか。
そして進化した人類であり、ギフの細胞を引き継ぐ者たちによって滅ぼされようとしているギフは結局同じ家族同士ということもまたミソです。
この「ギフと一輝たちが家族」という関係を広義解釈すると、どちらも元は同じ人間であることに。
つまり『一部の誤った考えを持つ人類=ギフ』、それを粛清し『地球や人類あらゆる生物と共存の道を望む人類=一輝たち』、という希望を照らしたメッセージが込められているのではないでしょうか。
ギフを滅ぼすことができるのは、ギフと同じ細胞を持つ一輝たちだけ。
これは人間を止めることができるのは同じ人間だけという、重要メッセージではないかと。
叡智を持って勇気ある行動をとれる人類は、一輝たちチームとうまくリンクする構成となっていることで、ここに来て深い命題を突き付けられたものだと感じた次第です。
ギフが初めて意思疎通を図った今回、壮大なテーマが露わとなってきましたね!
仮面ライダーリバイス44話いっすんの一口感想
仮面ライダーリバイス44話の一口感想です!
カゲロウ復活&新フォーム解禁
「遅ぇよ、大二。」
「お前が泣き寝入りするまで、黙ってようと思ってな。」
カゲロウ~~~!!
こんなにカゲロウに会いたかったなんて・・・視聴者のほとんどが大歓喜と甘酸っぱさ特盛の恋(?)を感じたのではないでしょうか。
そして二人が選んだ答え、エビリティライブ!!
まさかホーリーライブから更に進化を遂げて白黒一緒くたに、マントなどからも洗練されたヒロイズムを感じさせるフォーム・・カッコ良すぎてしびれたぜぇ!!
そしてエビリティライブのバトルではエビルの残像エフェクトかっこ良すぎ!!
一輝&バイスよりも先に『孤独と喪失』の問題を解決した大二&カゲロウが、今回ギフ封印のトドメの一撃を決めたのは非常に巧みで大好きすぎる演出でした!
いや~、カゲロウ復活も大二カムバックもエビリティライブ覚醒も尊すぎて感涙ものでした😭
バイスファインプレーすぎ
ギフと大二の契約を二度も阻止したバイス、ファインプレーすぎませんかね?
大二の命の恩人ですよ。
バイスすごすぎ!!
「一輝なにしとんねん!」
と思われた方は多いでしょうが、ここは悪魔であるバイスがメッセージを伝えるべく2度とも大二を救う必要性があったといっすんは感じているので、主役の見せ場はクライマックスまで温存というところですかね!
今思えばバイスって誰からも嫌われにくいキャラクターで、それどころかむしろリバイス登場人物中一番の常識人なんですよね。
そんな魅力あふれる人気キャラクターを演じられるのが、誰からも好かれる国民的超人気声優である木村昴さんが担当されること、運命かな?
凄まじいプロデュースには、改めて驚嘆する思いでした!
バイス好きすぎて・・甘酸っぱさ特盛の恋よ。
ヒロミもジョージもヒーローだった
そして決して忘れてはいけないのが、ヒロミさんの大活躍。
ジョージと対峙した際、
「再び・・命をかけなければならないとしたら、今だ」
「その言葉を二度と使うな。それが変身の条件だ。」
ジョージのセリフも漢気あふれて最高すぎた。
闘いにおけるシーンでは、
「命がけじゃないと、俺を倒せませんよ」
という大二の煽りに対して
「そうかもな。だが俺は、もうその言葉は使わない!」
狩崎とジョージは知らぬ間に固い友情で結ばれていたことを教えてくれた今回。
「その言葉を二度と使うな。」の際のジョージが普段見せない剣幕は、ヒロミさんの命を本気で大切に思っている表れ。
そしてその言葉の通りに『全身全霊をかけて』に変化させたヒロミさん。
二人の漢の固い友情が結実した証が大二を変えるきっかけとなったこと、大感動を抑えきれませんでした!
プロデューサー望月さんによると21話でヒロミがジョージを殴るシナリオは二人の完全なる「関係の解消」を意味するつもりで作っていたということ。
しかし二人の役者さんによってシナリオが少しずつ変化していき、そして44話における固い友情に繋がったことを思うとき、熱いお二人の役者魂にはリスペクトせざるを得ませんでした!
そしてこの二人の漢気のおかげで大二がカゲロウに助けを請いエビリティライブ誕生につながったため、ヒロミさんもジョージも素晴らしいヒーローであると、改めて思い知る素晴らしい機会となったものです!
ヒロミさんもジョージもカッコ良すぎた!!
まとめ
ついに大二、そして待望のカゲロウもカムバック!
共に成長した二人が出した答えは非常に尊いメッセージ性があり、大感動抑えきれませんでした!!
そして次回は、
第45話「終わらぬ悪夢、守る者と守られる者」
ギフを封印したのもつかの間、謎の寄生虫が街を飛び交い人間を繭のようなものに包んでいく・・!?
『封印』では決してラスボスを倒せないというセオリーを突いてきましたね。
これからギフ完全殲滅へ向けてラストスパート、一瞬たりとも目が離せませんね!!
それでは今回はこのくらいで。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
いっすんでした!